本サイトの提供情報は、「治療の参考」として提供するものであり、 実際の使用に当たっては、「添付文書」等の各製薬会社が提供する情報に従ってご使用ください。
最終データ更新日:2010-07-31
Metronidazole [MNZ,MTZ]
メトロニダゾール, 抗原虫剤
1. 商品名
先発品
- フラジール内服錠250mg 【塩野義製薬】
後発品
- アスゾール錠250mg 【富士製薬工業】
2. 日本における発売年
1961(昭和36)年
3. 特長
- 男女両性のトリコモナス症に有効である。
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症に対するプロトンポンプインヒビター/アモキシシリン/メトロニダゾール併用療法は承認の用法・用量において81.7~100%の除菌効果が得られる治療法であることが報告されている。
4. 承認済有効菌種
- トリコモナス症(腟トリコモナスによる感染症)
- 次のヘリコバクター・ピロリ感染症
- 胃潰瘍
- 十二指腸潰瘍
- 胃MALTリンパ腫
- 特発性血小板減少性紫斑病
- 早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃
5. 承認はとれていないが、臨床的に有効と思われる菌種
6. 用法・用量
- トリコモナス症(腟トリコモナスによる感染症):通常,成人にはメトロニダゾールとして,1クールとして,1回250mgを1日2回,10日間経口投与する。
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症:アモキシシリン,クラリスロマイシンおよびプロトンポンプインヒビター併用によるヘリコバクター・ピロリの除菌治療が不成功の場合 通常,成人にはメトロニダゾールとして1回250mg,アモキシシリンとして1回750mg(力価)およびプロトンポンプインヒビターの3剤を同時に,1日2回,7日間経口投与する。
7. 作用機序
抗原虫及びヘリコバクター・ピロリ除菌作用:メトロニダゾールは原虫又はヘリコバクター・ピロリ菌体内のニトロ還元酵素系の反応によって還元を受け,ニトロソ化合物(R-NO)に変化する。このR-NOが抗原虫作用及びヘリコバクター・ピロリに対する殺菌作用を示す。また,反応の途中で生成したヒドロキシラジカルがDNAを切断し,DNAらせん構造の不安定化を招く。
8. 血中半減期
9. 排泄経路
主に腎臓
10. 臓器移行性
- ◎:≧10μg/ml
- ○:10>~≧1
- △:1>~≧0.5
- x:0.5>
- -:データなし
腎・尿路 | ー |
---|---|
肝・胆汁 | ー |
喀痰・気管支分泌液 | ー |
骨髄 | ー |
骨盤腔 | ー |
臍帯血 | ー |
骨 | ー |
腹腔 | ー |
母乳 | △ |
扁桃腺 | ー |
羊水 | ー |
髄液 | ー |
腸管 | ー |
副鼻腔 | ー |
筋・皮下組織 | ー |
胸腔 | ー |
眼 | ー |
歯槽 | ー |
腟 | △ |
11. 副作用
- ◎:5%以上
- ○:0.1%以上5%未満
- △:0.1%未満
- ×:これまでに報告はない
- ?:頻度不明
- !:同系薬剤で報告がある
- !!:大量投与時に起こる
ショック | × |
---|---|
過敏症 | ? |
腎障害 | × |
肝障害 | ? |
消化器障害 | ? |
血液・造血器障害 | ? |
溶血性貧血 | × |
精神・神経系障害 | ? |
聴覚障害 | × |
Vit.B・K 欠乏症 | × |
偽膜性大腸炎 | × |
電解質異常 | × |
Antabuse作用 | × |
その他※ |
12. 使用上の注意
禁忌
- 既往に本剤の成分に対する過敏症を起こした患者
- 血液疾患のある患者[白血球減少があらわれることがある]
- 脳,脊髄に器質的疾患のある患者[中枢神経症状があらわれることがある]
- 妊娠3ヵ月以内の婦人[胎児に対する安全性は確立していないので,特に妊娠3ヵ月以内は経口投与をしないこと]
慎重投与
- 高齢者への投与:一般に高齢者では生理機能が低下しているので,慎重に投与すること。
相互作用 併用注意
- アルコール:本剤はアルコールの代謝過程においてアルデヒド脱水素酵素を阻害し,血中アセトアルデヒド濃度を上昇させる。
- リトナビル:リトナビルはエタノール18%を含有するので本剤により血中アセトアルデヒド濃度を上昇させる。
- ジスルフィラム:機序は不明であるが精神症状(錯乱等)が出現することがある。
- ワルファリン:本剤はワルファリンの代謝を阻害し,その血中濃度を上昇させる。