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最終データ更新日:2011-03-31
Tebipenem Pivoxil [TBPM-PI]
テビペネム ピボキシル, 経口用カルバペネム系
1. 商品名
先発品
- オラペネム小児用細粒10% 【Meiji Seika ファルマ】
2. 日本における発売年
2009(平成21)年
3. 特長
- 幅広い抗菌スペクトルを有し、特に、ペニシリン耐性肺炎球菌、マクロライド耐性肺炎球菌及びβ-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌に対し強い抗菌力を示した(in vitro)。
- 強い短時間殺菌力を示し、PAE (postantibiotic effect)あるいはPASME(postantibiotic sub-MICeffect)により抗菌効果が持続する。
- 耐性の肺炎球菌及びインフルエンザ菌が原因菌の多くを占める小児中耳炎、副鼻腔炎、肺炎に対して高い有効性を示す。
- 経口吸収性が高い。速やかに吸収され、高い血漿中濃度が得られる。(小児4 mg(力価)/kg投与時、Tmax0.74時間、Cmax3.46 μg/mL)
- 服用性に優れた細粒剤(易服用率92.7%)であり、1日2回の投与回数により、小児で高い服薬コンプライアンスを保つことができる。
4. 承認済有効菌種
- テビペネムに感性の黄色ブドウ球菌
- レンサ球菌属
- 肺炎球菌
- モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス
- インフルエンザ菌
5. 承認はとれていないが、臨床的に有効と思われる菌種
6. 用法・用量
- 通常、小児にはテビペネム ピボキシルとして1回4mg(力価)/kgを1日2回食後に経口投与する。なお、必要に応じて1回6mg(力価)/kgまで増量できる。
7. 作用機序
- テビペネム ピボキシル(TBPM-PI)の活性本体テビペネム(TBPM)は、細菌の細胞壁合成酵素であるペニシリン結合蛋白質(PBP)に結合し、細胞壁合成を阻害することにより抗菌活性を発揮する。テビペネムは肺炎球菌及びインフルエンザ菌の複数のPBP に対して高い親和性を示し、アミノ酸置換の積み重ねによる影響を受けにくいため、耐性菌に対しても強い抗菌力を示す。
8. 血中半減期は中程度
食後経口4mg(力価)/kg(n=157) | t1/2 | 1.04±0.67 | |
食後経口6mg(力価)/kg(n=65) | t1/2 | 0.99±0.50 |
9. 排泄経路
- 腎………32.7%~57.9% (2時間30分~5時間55分後)
10. 臓器移行性
- ◎:≧25μg/ml
- ○:25>~≧3
- △:3>~≧1
- x:1>
- -:データなし
腎・尿路 | ― |
---|---|
肝・胆汁 | ― |
喀痰・気管支分泌液 | × |
骨髄 | ― |
骨盤腔 | ― |
臍帯血 | ― |
骨 | ― |
腹腔 | ― |
母乳 | ×(ラット) |
扁桃腺 | ― |
羊水 | ― |
髄液 | ― |
腸管 | ― |
副鼻腔 | ― |
筋・皮下組織 | ― |
胸腔 | ― |
眼 | ― |
歯槽 | ― |
11. 副作用
- ◎:5%以上
- ○:0.1%以上5%未満
- △:0.1%未満
- ×:これまでに報告はない
- ?:頻度不明
- !:同系薬剤で報告がある
- !!:大量投与時に起こる
ショック | ! |
---|---|
過敏症 | ○ |
腎障害 | ○ |
肝障害 | ○ |
消化器障害 | ◎ |
血液・造血器障害 | ○ |
溶血性貧血 | ! |
精神・神経系障害 | ○ |
聴覚障害 | ! |
Vit.B・K 欠乏症 | |
偽膜性大腸炎 | ! |
電解質異常 | |
Antabuse作用 |
12. 使用上の注意
禁忌
- 1.本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
- 2.バルプロ酸ナトリウムを投与中の患者[てんかんの発作が再発するおそれがある。]
原則禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
慎重投与
- 1.カルバペネム系、ペニシリン系及びセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
- 3.高度の腎障害のある患者[テビペネムの排泄が遅延する。]
- 4.経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
- 5.てんかん等の痙攣性疾患の既往歴のある患者[痙攣をおこすおそれがある。]
相互作用 併用禁忌
- バルプロ酸ナトリウム(デパケン、バレリン、ハイセレニン等)(バルプロ酸の血中濃度が低下し、てんかんの発作が再発するおそれがある。)
臨床検査値への影響
- (1) テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬、クリニテストによる尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
- (2) 直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。
13. 標準菌に対するMICと臨床分離菌に対するMIC80,MIC60(μg/ml)
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このデータは、主として発売時のデータであり、必ずしも現時点に適合するものではありません。 最新データについては、各種サーベイランスデータをご参考ください。