製剤の調査資料

[出典]
山口恵三、石井良和、岩田守弘、他:Meropenemを含む各種注射用抗菌薬に対する2004年臨床分離株の感受性サーベイランス。

最終データ更新日:2008-09-29

Mefloquine [Mefloquine]

メフロキン, 抗原虫剤

1. 商品名

先発品

  • メファキン「ヒサミツ」錠275 【久光製薬】

2. 日本における発売年

2001(平成13)年

3. 特長

  • 日本の抗マラリア薬ではじめて予防を用法として有しています。(但し、予防目的に使用する際は保険適用不可)
  • 塩酸メフロキン製剤はWHOによりマラリアの予防及び治療のために必須薬剤(Eseential drugs)に指定されています。
  • 塩酸メフロキン特有の苦み等を製剤学的に改善し、服用しやすくしました。

4. 承認済有効菌種

  • マラリア

5. 承認はとれていないが、臨床的に有効と思われる菌種

6. 用法・用量

治療:通常成人には、体重に応じ塩酸メフロキンとして、825mg(3錠)~1100mg(4錠)を2回に分割して経口投与する。

  • 30Kg以上45Kg未満:初回550mg(2錠)、6~8時間後に275mg(1錠)を経口投与する。
  • 45Kg以上:初回550mg(2錠)、6~8時間後に550mg(2錠)を経口投与する。

感染地(メフロキン耐性のマラリア流行地域)及び症状によって、成人には体重に応じ塩酸メフロキンとして、1100mg(4錠)~1650mg(6錠)を2~3回に分割して経口投与する。

  • 30Kg以上45Kg未満:初回825mg(3錠)、6~8時間後に275mg(1錠)を経口投与する。
  • 45Kg以上60Kg未満:初回825mg(3錠)、6~8時間後に550mg(2錠)を経口投与する。
  • 60Kg以上:初回825mg(3錠)、6~8時間後に550mg(2錠)、さらに6~8時間後に275mg(1錠)を経口投与する。

予防:通常成人には、体重に応じ塩酸メフロキンとして、206、25mg(3/4錠)~275mg(1錠)を、マラリア流行地域到着1週間前より開始し、1週間間隔(同じ曜日)で経口投与する。流行地域を離れた後4週間は経口投与する。なお、流行地域での滞在が短い場合であっても、同様に流行地域を離れた後4週間は経口投与する。

  • 30Kg以上45Kg未満:206.25mg(3/4錠)
  • 45Kg以上:275mg(1錠)

7. 作用機序

マラリア原虫は宿主の赤血球のヘモグロビンを取り込み食胞で分解し、アミノ酸の供給源として利用する。このとき遊離するヘムは原虫に極めて有毒であるため、これを重合させヘモゾイン(マラリアピグメント)として無毒化する。メフロキンの抗原虫作用の機序は明らかではないが、ヘムの重合阻害作用や食胞の機能阻害によるものと考えられている。

8. 血中半減期は長い

経口 β1/2 400.1時間

9. 排泄経路

  • 腎………2.44%

10. 臓器移行性

  • ◎:≧25μg/ml
  • ○:25>~≧3
  • △:3>~≧1
  • x:1>
  • -:データなし
腎・尿路
肝・胆汁
喀痰・気管支分泌液
骨髄
骨盤腔
臍帯血
腹腔
母乳
扁桃腺
羊水
髄液
腸管
副鼻腔
筋・皮下組織
胸腔
歯槽

11. 副作用

  • ◎:5%以上
  • ○:0.1%以上5%未満
  • △:0.1%未満
  • ×:これまでに報告はない
  • ?:頻度不明
  • !:同系薬剤で報告がある
  • !!:大量投与時に起こる
ショック
過敏症
腎障害
肝障害
消化器障害
血液・造血器障害
溶血性貧血
精神・神経系障害
聴覚障害
Vit.B・K 欠乏症
偽膜性大腸炎
電解質異常
Antabuse作用
その他※ !

12. 使用上の注意

禁忌

  • 本剤の成分又はキニーネ等の類似化合物に対して過敏症の既往歴のある患者
  • 低出生体重児、新生児、乳児
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
  • てんかんの患者又はその既往歴のある患者[痙攣を起こすことがある。]
  • 精神病の患者又はその既往歴のある患者[精神症状を悪化するおそれがある。]
  • キニーネ投与中の患者
  • ハロファントリン(国内未承認)投与中の患者

慎重投与

  • 腎障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。]
  • 肝障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。]
  • 心臓の伝道障害のある患者[症状が悪化するおそれがある。]

相互作用 併用禁忌

  • キニーネ及び類似化合物 キ二ジン、クロロキン(国内未承認等)[併用投与により心臓に対して累積的に毒性を与える可能性がある。]
  • ハロファントリン(国内未承認)[QTc間隔延長作用の増大。]

臨床検査値への影響

臨床検査地の異常変動が14例中9例(64.3%)にみらた。 その内訳は、AST(GOT)上昇6件、ALT(GPT)上昇6件、CK(CPK)上昇4件、TTT上昇4件、ZTT3件、好酸球上昇3件等であった。