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最終データ更新日:2010-07-31
Clarithromycin [CAM]
クラリスロマイシン, マクロライド系
1. 商品名
先発品
- クラリス錠200 【大正製薬, 大正富山医薬品】
- クラリス錠50小児用/クラリスドライシロップ10%小児用 【大正製薬, 大正富山医薬品】
- クラリシッド錠200mg 【アボット ジャパン】
- クラリシッド・ドライシロップ10%小児用/クラリシッド錠50mg小児用 【アボット ジャパン】
後発品
- マインベース錠200 【大正薬品工業, 武田薬品工業, あすか製薬】
- マインベース錠50小児用/マインベースDS10%小児用 【大正薬品工業, 武田薬品工業, あすか製薬】
- リクモース錠200mg 【東和薬品】
- リクモース錠小児用50mg 【東和薬品】
- リクモースドライシロップ小児用10% 【東和薬品】
- クラロイシン錠200 【シオノケミカル, 科研製薬】
- クラロイシン錠50小児用/クラロイシンドライシロップ10%小児用 【シオノケミカル, 科研製薬】
- クラリスロマイシン錠200mg「EMEC」 【メディサ新薬, エルメッドエーザイ, エーザイ】
- クラリスロマイシンDS10%小児用「EMEC」/クラリスロマイシン錠50mg小児用「EMEC」 【メディサ新薬, エルメッドエーザイ, エーザイ】
- クラリスロマイシン錠200mg「サワイ」 【沢井製薬】
- クラリスロマイシンDS10%小児用「サワイ」/クラリスロマイシン錠50mg小児用「サワイ」 【沢井製薬】
- クラリスロマイシン錠200mg「日医工」 【日医工】
- クラリスロマイシン錠50mg小児用「日医工」 【日医工】
- クラリスロマイシンDS10%小児用「日医工」 【日医工】
- クラリスロマイシン錠200「MEEK」 【小林化工, Meiji Seika ファルマ】
- クラリスロマイシン錠50小児用 「MEEK」/クラリスロマイシンDS10% 「MEEK」 【小林化工, Meiji Seika ファルマ】
- クラリスロマイシン錠200mg「タナベ」 【田辺製薬販売, 田辺三菱製薬】
- クラリスロマイシン錠200mg「CH」 【長生堂製薬, 田辺製薬販売】
- クラリスロマイシンDS10%小児用「CH」/クラリスロマイシン錠50mg小児用「CH」 【長生堂製薬, 田辺製薬販売】
- クラリスロマイシン錠200mg「サンド」 【サンド, 日本ジェネリック】
- クラリスロマイシン錠200mg「タイヨー」 【大洋薬品工業, 日本ジェネリック】
- クラリスロマイシンドライシロップ10%小児用「タイヨー」/クラリスロマイシン錠50mg小児用「タイヨー」 【大洋薬品工業, 日本ジェネリック】
- クラリスロマイシン錠200mg「タカタ」 【高田製薬, 大原薬品工業】
- クラリスロマイシン錠小児用50mg「タカタ」/クラリスロマイシンDS小児用10%「タカタ」 【高田製薬, 大原薬品工業, 塩野義製薬】
- クラリスロマイシン錠200「TCK」 【辰巳化学, ザイダスファーマ】
- クラリスロマイシン錠50小児用「TCK」 【辰巳化学】
- クラリスロマイシン錠200mg「NPI」 【日本薬品工業, 日本ケミファ】
- クラリスロマイシン錠50mg小児用「NPI」 【日本薬品工業, 日本ケミファ】
- クラリスロマイシン錠200mg「PH」 【キョーリンリメディオ, 富士フイルムファーマ】
- クラリスロマイシン錠50mg小児用「PH」 【キョーリンリメディオ, 富士フイルムファーマ】
- クラリスロマイシン錠200mg「マイラン」 【マイラン製薬】
- クラリスロマイシン錠50mg小児用「マイラン」/ クラリスロマイシンドライシロップ10%小児用「マイラン」 【マイラン製薬】
- クラリスロマイシンDS10%小児用「コーワ」 【興和, 興和テバ】
2. 日本における発売年
1991(平成3)年
3. 特長
- 組織移行性に優れ,生体的で強い抗菌力を発揮.
- 急性・慢性呼吸器感染症に優れた効果.
- 後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症や、胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症にも有効
- 持続性を有し、1日2回投与が可能
- 副作用発現率は3.00%.(117例/3,894例)
4. 承認済有効菌種
- 本剤に感性のブドウ球菌属
- レンサ球菌属
- 肺炎球菌
- モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス
- インフルエンザ菌
- レジオネラ属
- 百日咳菌(小児用)
- カンピロバクター属
- ペプトストレプトコッカス属 (200mg錠)
- クラミジア属
- マイコプラズマ属
- 本剤に感性のマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)
- クラリスロマイシン感性のヘリコバクター・ピロリ(200mg錠)
5. 承認はとれていないが、臨床的に有効と思われる菌種
6. 用法・用量
1.一般感染症
- 1日400 mg(力価)を2回に分服、小児には1日10~15 mg(力価)/kg[レジオネラ肺炎は15 mg(力価)/kg]を2~3回に分服(増
2. 後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症
- 1日800 mg(力価)を2回に分服、小児には1日15 mg(力価)/kgを2回に分服(増減)
3. 胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症(200mg錠)
- <クラリスロマイシン、アモキシシリン、ランソプラゾール併用>クラリスロマイシンとして1回200mg(力価)、アモキシシリンとして1回750mg(力価)及びランソプラゾールとして1回30mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与(クラリスロマイシンは、適宜増量。1回400mg(力価)1日2回を上限)
- <クラリスロマイシン、アモキシシリン、オメプラゾール併用>クラリスロマイシンとして1回400mg(力価)、アモキシシリンとして1回750mg(力価)及びオメプラゾールとして1回20mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与
7. 作用機序
- 細菌の70Sリボゾームの50Sサブユニットと結合して,蛋白合成を阻害する.
8. 血中半減期は長い
経口(成人) | β1/2 | 約4.04hr | |
(t max:投与後約1.93hr) | |||
経口(小児) | β1/2 | 約3.89hr | |
(t max:投与後約1.6hr) |
9. 排泄経路
- 腎………約38%
- 肝臓………約40%
10. 臓器移行性
- ◎:≧10μg/ml
- ○:10>~≧1
- △:1>~≧0.5
- x:0.5>
- -:データなし
腎・尿路 | ◎ |
---|---|
肝・胆汁 | ― |
喀痰・気管支分泌液 | ○ |
骨髄 | ― |
骨盤腔 | ― |
臍帯血 | ― |
骨 | ― |
腹腔 | ― |
母乳 | ○(海外データ) |
扁桃腺 | ○ |
羊水 | ― |
髄液 | ― |
腸管 | ― |
副鼻腔 | ○ |
筋・皮下組織 | ○ |
胸腔 | ― |
眼 | ― |
歯槽 | ー |
11. 副作用
- ◎:5%以上
- ○:0.1%以上5%未満
- △:0.1%未満
- ×:これまでに報告はない
- ?:頻度不明
- !:同系薬剤で報告がある
- !!:大量投与時に起こる
ショック | ? |
---|---|
過敏症 | ○ |
腎障害 | ? |
肝障害 | ○ |
消化器障害 | ○ |
血液・造血器障害 | ○ |
溶血性貧血 | ? |
精神・神経系障害 | △ |
聴覚障害 | ? |
Vit.B・K 欠乏症 | × |
偽膜性大腸炎 | ? |
電解質異常 | × |
Antabuse作用 | 無 |
12. 使用上の注意
禁忌
- 本剤に対して過敏症の既往歴のある患者
- ピモジド,エルゴタミン含有製剤, シサプリドを投与中の患者
慎重投与
- 他のマクロライド系薬剤に対して過敏症の既往歴のある患者
- 肝機能障害のある患者〔肝機能障害を悪化させることがある〕
- 腎機能障害のある患者〔血中濃度が上昇するおそれがある〕
- 心疾患のある患者〔QT延長,心室性頻脈(Torsades de pointesを含む)をおこすことがある〕
- 高齢者
相互作用 併用注意
次の医薬品を減量するなど慎重に投与する
- ジゴキシン:ジゴキシンの作用増強による嘔気,嘔吐,不整脈等が報告されているので,ジゴキシンの血中濃度の推移,自覚症状,心電図等に注意し,異常が認められた場合には,ジゴキシンの減量もしくは両剤の投与を中止する.[本剤の腸内細菌叢への影響により,ジゴキシンの腸内細菌による不活化を抑制,もしくはP-糖蛋白質を介したジゴキシンの輸送を阻害することにより, ジゴキシンの血中濃度を上昇させる]
- テオフィリン、アミノフイリン、コリンテオフィリン:テオフィリンの血中濃度上昇に伴う中毒症状(痙攣,横紋筋融解症等)が報告されているので,テオフィリンの血中濃度の推移等に注意し,異常が認められた場合には,テオフィリンの減量もしくは両剤の投与を中止する.[本剤はテオフィリンの代謝酵素(肝チトクロームP-450)を阻害することにより,テオフィリンの血中濃度を上昇させる]
次の薬剤では,それらの作用増強による下記副作用が報告されているので,可能なものでは血中濃度モニタリング(TDM)を行うなど,用量に注意して投与し,異常が認められた場合には,両剤の投与を中止する.
- ジソピラミド(QT延長,低血糖等)、トリアゾラム(傾眠等)、カルバマゼピン(嗜眠,眩暈,眼振,運動失調等)、シクロスポリン(腎障害等)、タクロリムス水和物(クレアチニン上昇等)、クマリン系抗凝血剤 ワルファリン等(プロトロンビン時間延長等)、ミダゾラム(中枢神経系抑制作用の増強)、カルシウム拮抗剤 ニフェジピン 塩酸ベラパミル等(血圧低下(ふらつき,脱力感,嘔気),頻脈,徐脈)、5-HT1B/1D受容体作動薬 エレトリプタン等(左記薬剤の血中濃度上昇) [本剤は左記薬剤の主たる代謝酵素(肝チトクロームP-450 3A)を阻害することにより,それらの血中濃度を上昇させる]
- リトナビル:本剤の血中濃度を上昇させることが報告されているので,必要に応じて本剤を減量する.[リトナビルは本剤の主たる代謝酵素(肝チトクロームP-450 3A4)を阻害することにより,本剤の血中濃度を上昇させる]
- イトラコナゾール:イトラコナゾールの血中濃度を上昇させることが報告されているので,異常が認められた場合には,両剤の投与を中止する.[本剤及びイトラコナゾールは肝チトクロームP-450 3Aでの薬物代謝を阻害するため,併用によりイトラコナゾールの代謝が阻害される可能性がある]
- リファンピシン:本剤の血中濃度を低下させることが報告されているので,効果に減弱が認められた場合には,リファンピシンとの併用を中止する.[リファンピシンは本剤の主たる代謝酵素(肝チトクロームP-450 3A4)を誘導することにより,本剤の血中濃度を約1/8に低下させるとの報告がある]
- リファブチン(国内未承認):リファブチンによるぶどう膜炎の発現を増加させると報告されているので,異常が認められた場合には直ちにリファブチンの併用を中止する.[本剤はリファブチンの主たる代謝酵素(肝チトクロームP-450)を阻害することにより,リファブチンの血中濃度を上昇させる]
- シンバスタチン、アトルバスタチン、ロバスタチン(国内未承認):筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし,急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれやすいので,筋肉痛,脱力感等の症状及びCK(CPK)上昇,血中・尿中ミオグロビン上昇等の検査値異常に十分注意し,異常が認められた場合には,両剤の投与を中止する.[本剤は肝チトクロームP-450 3Aでの薬物代謝を阻害するため,併用により,左記薬剤の代謝を阻害する可能性がある.腎機能障害のある患者には特に注意すること]
- スルホニル尿素系血糖降下剤 グリベンクラミド等:本剤との併用により低血糖(意識障害に至ることがある)が報告されているので,異常が認められた場合には,両剤の投与を中止し,ブドウ糖の投与等の適切な処置を行うこと.[機序は明確ではないが,本剤との併用により,左記薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある]
- コルヒチン:本剤との併用によりコルヒチン中毒症状(汎血球減少,肝機能障害,筋痛,腹痛,嘔吐,下痢,発熱等)が発現したとの報告がある.[本剤がコルヒチンの肝臓における代謝を阻害することにより,コルヒチンの血中濃度を上昇させる可能性がある]
臨床検査値への影響
- 承認時における臨床検査値の変動は、ALT(GPT)上昇(成人2.44%,小児2.05%),AST(GOT)上昇(成人1.74%,小児2.05%),好酸球増多(成人1.52%,小児3.68%)が主なものであった.
13. 標準菌に対するMICと臨床分離菌に対するMIC80,MIC60(μg/ml)
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このデータは、主として発売時のデータに、今回の更新にあたり一部改訂・追加したものであり、現時点に適合しないものも含まれています。 最新データについては、各種サーベイランスデータをご参考ください。