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最終データ更新日:2012-06-11
Meropenem [MEPM]
メロペネム, カルバペネム系
1. 商品名
先発品
- メロペン点滴用バイアル0.25g/メロペン点滴用バイアル0.5g/メロペン点滴用キット0.5g 【大日本住友製薬】
後発品
- メロペネム点滴静注用0.25g「NP」/メロペネム点滴静注用0.5g「NP」/メロペネム点滴静注用バッグ0.5g「NP」 【ニプロファーマ】
- メロペネム点滴静注用0.25g「ケミファ」/メロペネム点滴静注用0.5g「ケミファ」 【日本ケミファ】
- メロペネム点滴静注用0.25g「サワイ」/メロペネム点滴静注用0.5g「サワイ」 【沢井製薬】
- メロペネム点滴静注用0.25g「タイヨー」/メロペネム点滴静注用0.5g「タイヨー」 【大洋薬品工業】
- メロペネム点滴静注用0.25g「タナベ」/ メロペネム点滴静注用0.5g「タナベ」 【田辺三菱製薬, 田辺製薬販売】
- メロペネム点滴静注用0.25g「トーワ」/ メロペネム点滴静注用0.5g「トーワ」 【東和薬品】
- メロペネム点滴静注用0.25g「日医工」/メロペネム点滴静注用0.5g「日医工」/メロペネム点滴静注用バッグ0.5g「日医工」 【日医工】
- メロペネム点滴静注用0.25g「明治」/ メロペネム点滴静注用0.5g「明治」/ メロペネム点滴静注用バッグ0.5g「明治」 【Meiji Seika ファルマ】
- メロペネム点滴静注用0.25g「ファイザー」/ メロペネム点滴静注用0.5g「ファイザー」 【ファイザー】
2. 日本における発売年
1995(平成7)年
3. 特長
- グラム陽性菌、グラム陰性菌及び嫌気性菌に対して幅広い抗菌スペクトルを有し、緑膿菌、黄色ブドウ球菌(MSSA)に対しても強い抗菌力を示す。
- 各種細菌のβ-ラクタマーゼに対し安定である。
- ヒト腎デヒドロペプチダーゼIに安定である。
4. 承認済有効菌種
- メロペネムに感性のブドウ球菌属
- レンサ球菌属
- 肺炎球菌
- 腸球菌属
- 髄膜炎菌
- モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス
- 大腸菌
- シトロバクター属
- クレブシエラ属
- エンテロバクター属
- セラチア属
- プロテウス属
- プロビデンシア属
- インフルエンザ菌
- シュードモナス属
- 緑膿菌
- バークホルデリア・セパシア
- バクテロイデス属
- プレボテラ属
5. 承認はとれていないが、臨床的に有効と思われる菌種
- サルモネラ属
- ペプトストレプトコッカス属
- クロストリジウム属
- 淋菌
- モルガネラ・モルガニー
- アシネトバクター属
- フソバクテリウム属
- リステリア
6. 用法・用量
一般感染症・化膿性髄膜炎以外の一般感染症
- 通常、成人にはメロペネムとして、1日0.5~1g(力価)を2~3回に分割し、30分以上かけて点滴静注する。なお、年齢・症状に応じて適宜増減するが、重症・難治性感染症には、1回1g(力価)を上限として、 1日3g(力価)まで増量することができる。
- 通常、小児にはメロペネムとして、1日30~60mg(力価)/kgを3回に分割し、30分以上かけて点滴静注する。なお、年齢・症状に応じて適宜増減するが、重症・難治性感染症には、1日120mg(力価)/kgまで増量することができる。ただし、成人における1日最大用量3g(力価)を超えないこととする。
一般感染症・化膿性髄膜炎
- 通常、成人にはメロペネムとして、1日6g(力価)を3回に分割し、30分以上かけて点滴静注する。なお、年齢・症状に応じて適宜減量する。
- 通常、小児にはメロペネムとして、1日120mg(力価)/kgを3回に分割し、30分以上かけて点滴静注する。なお、年齢・症状に応じて適宜減量する。ただし、成人における1日用量6g(力価)を超えないこととする。
発熱性好中球減少症
- 通常、成人にはメロペネムとして、1日3g(力価)を3回に分割し、30分以上かけて点滴静注する。
- 通常、小児にはメロペネムとして、1日120mg(力価)/kgを3回に分割し、30分以上かけて点滴静注する。ただし、成人における1日用量3g(力価)を超えないこととする。
7. 作用機序
- ペニシリン結合蛋白(PBPs)に高い親和性を示し、細菌の細胞壁合成(細胞壁ペプチドグリカンの架橋形成)を阻害する。
8. 血中半減期
30分点滴(投与量0.25g) | T1/2 | 0.98hr | |
30分点滴(投与量0.5g) | T1/2 | 1.03hr | |
30分点滴(投与量1g) | T1/2 | 1.02hr | |
30分点滴(投与量2g) | T1/2 | 0.92hr |
9. 排泄経路
- 腎………60~65% 30分点滴静注後8時間
10. 臓器移行性
- ◎:≧25μg/ml
- ○:25>~≧6
- △:6>~≧1
- x:1>
- -:データなし
- *:授乳期ラット
- ?:不明
腎・尿路 | ◎ |
---|---|
肝・胆汁 | ◎ |
喀痰・気管支分泌液 | △ |
骨髄 | ○ |
骨盤腔 | ○ |
臍帯血 | ? |
骨 | △ |
腹腔 | △ |
母乳 | △* |
扁桃腺 | △ |
羊水 | ? |
髄液 | ○ |
腸管 | ? |
副鼻腔 | ? |
筋・皮下組織 | ○ |
胸腔 | ? |
眼 | × |
歯槽 | ○ |
11. 副作用
- ◎:5%以上
- ○:0.1%以上5%未満
- △:0.1%未満
- ×:これまでに報告はない
- ?:頻度不明
- !:同系薬剤で報告がある
- !!:大量投与時に起こる
- ※:菌交代症(△),間質性肺炎,PIE症候群(△),Lyell症候群(!),血栓性静脈炎(!),痙攣・意識障害等の中枢神経症状(?)
ショック | △ |
---|---|
過敏症 | ○ |
腎障害 | ○ |
肝障害 | ○ |
消化器障害 | ○ |
血液・造血器障害 | ○ |
溶血性貧血 | ! |
精神・神経系障害 | △ |
聴覚障害 | × |
Vit.B・K 欠乏症 | △ |
偽膜性大腸炎 | △ |
電解質異常 | × |
Antabuse作用 | 無 |
その他※ |
12. 使用上の注意
禁忌
- 本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
- バルプロ酸ナトリウム投与中の患者[併用により,バルプロ酸の血中濃度が低下し,てんかんの発作が再発することがある]
原則禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
慎重投与
メロペネム水和物に関する注意
- カルバペネム系、ペニシリン系又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
- 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
- 高度の腎障害のある患者〔痙攣、意識障害等の中枢神経症状が起こりやすい。〕
- 高度の肝障害のある患者〔肝障害が悪化するおそれがある。〕
- 高齢者
- 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者〔ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。〕
- てんかんの既往歴あるいは中枢神経障害を有する患者〔痙攣、意識障害等の中枢神経症状が起こりやすい。〕
生理食塩液に関する注意(キットでは生理食塩液100mLを含有)
- 心臓、循環器系機能障害のある患者〔循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。〕
- 腎障害のある患者〔水分、塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。〕
重要な基本的注意
- 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
- 1) 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
- 2) 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
- 3) 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
- 投与後3~5日目までは発疹等の副作用の発現には特に注意し、症状が発現したときには、他剤に切り替える等適切な処置を講じること。なお、継続使用にあたっても、引き続き副作用症状に注意すること。
- 本剤投与前に感受性の確認が行えなかった場合、本剤投与開始後3日を目安として本剤に対する感受性を確認し、本剤投与が適正であるか判断すること。なお、本剤に感受性が認められない場合、速やかに他の薬剤に変更すること。
- 患者の状態から判断して、やむを得ず原因菌不明のまま本剤を使用した場合、数日間以内に改善の徴候が認められないときには、他剤に切り替える等適切な処置を講じること。なお、継続使用にあたっても、引き続き症状の改善等から判断し、漫然と長期の投与を行わないこと。
- 患者の状態などから判断して、7日以上にわたって本剤を投与する場合には、その理由を常時明確にし、発疹の出現や肝機能異常等の副作用に留意し、漫然とした継続投与は行わないこと。
- AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇があらわれることがあるので、1週間以上の使用に際しては、必ず肝機能検査を実施すること。
- 発熱性好中球減少症の治療においては以下のことに注意すること。
- 1) 本剤は、好中球減少症でありかつ発熱が認められた場合に限定して使用すること。
- 2) 好中球数、発熱の回復が認められた場合には、本剤の投与中止を考慮すること。
- 3) 腫瘍熱・薬剤熱等の非感染性の発熱であることが確認された場合には、速やかに本剤の投与を中止すること。
相互作用 併用禁忌
- バルプロ酸ナトリウム(デパケン,バレリン,ハイセレニン等)[本剤との併用により,バルプロ酸の血中濃度が低下し,てんかんの発作が再発することがある]
臨床検査値への影響
- テステープ反応を除くベネディクト試薬,フェーリング試薬,クリニテストによる尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意する
- 直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意する
- ウロビリノーゲン検査では偽陽性を呈することがあるので注意する
13. 標準菌に対するMICと臨床分離菌に対するMIC80,MIC60(μg/ml)
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このデータは、主として発売時のデータに、今回の更新にあたり一部改訂・追加したものであり、現時点に適合しないものも含まれています。 最新データについては、各種サーベイランスデータをご参考ください。