本サイトの提供情報は、「治療の参考」として提供するものであり、 実際の使用に当たっては、「添付文書」等の各製薬会社が提供する情報に従ってご使用ください。
最終データ更新日:2010-07-31
Tosufloxacin [TFLX]
トスフロキサシン, 合成抗菌剤(新キノロン系)
1. 商品名
先発品
- オゼックス錠75/オゼックス錠150 【富山化学工業, 大正富山医薬品】
- オゼックス細粒小児用15% 【富山化学工業, 大正富山医薬品】
- トスキサシン錠75mg/トスキサシン錠150mg 【アボット ジャパン】
後発品
- トスフロキサシントシル酸塩錠75mg「NP」/トスフロキサシントシル酸塩錠150mg「NP」 【ニプロファーマ】
- トスフロキサシントシル酸塩錠75mg「TYK」/ トスフロキサシントシル酸塩錠150mg「TYK」 【大正薬品工業, 興和テバ】
- トスフロキサシントシル酸塩錠75mg「YD」/トスフロキサシントシル酸塩錠150mg「YD」 【陽進堂】
- トスフロキサシントシル酸塩錠75mg「サワイ」/トスフロキサシントシル酸塩錠150mg「サワイ」 【沢井製薬】
- トスフロキサシントシル酸塩錠75mg「サンド」/トスフロキサシントシル酸塩錠150mg「サンド」 【サンド】
- トスフロキサシントシル酸塩錠75mg「タイヨー」/トスフロキサシントシル酸塩錠150mg「タイヨー」 【大洋薬品工業】
- トスフロキサシントシル酸塩錠75mg「タナベ」/ トスフロキサシントシル酸塩錠150mg「タナベ」 【田辺三菱製薬, 田辺製薬販売】
- トスフロキサシントシル酸塩錠75mg「日医工」/トスフロキサシントシル酸塩錠150mg「日医工」 【日医工】
- トスフロキサシントシル酸塩錠75mg「TCK」/トスフロキサシントシル酸塩錠150mg「TCK」 【辰巳化学, 富士フイルムファーマ】
2. 日本における発売年
1990(平成2)年
3. 特長
- グラム陽性・陰性菌、嫌気性菌、トラコーマクラミジア等あわせて30菌種に適応を有し, 広い抗菌域と強い抗菌力をもつ.
- 41疾患に適応を有する。また、各科領域の急性感染症をはじめ、慢性の呼吸器感染症や複雑性の尿路感染症にも優れた臨床効果を示す
- 尿、胆汁をはじめとする各種体液、分泌液および組織内へ広範かつ良好な移行を示す。
- 承認時および使用成績調査における副作用発現率は3.23%(143例/4,424例)、0.76%(192例/25,129例).
4. 承認済有効菌種
- トスフロキサシンに感性のブドウ球菌属
- レンサ球菌属
- 肺炎球菌(ペニシリン耐性肺炎球菌を含む)
- 腸球菌属
- 淋菌
- モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス
- 炭疽菌
- 大腸菌
- 赤痢菌
- サルモネラ属
- チフス菌
- パラチフス菌
- シトロバクター属
- クレブシエラ属
- エンテロバクター属
- セラチア属
- プロテウス属
- モルガネラ・モルガニー
- プロビデンシア属
- コレラ菌
- インフルエンザ菌
- 緑膿菌
- バークホルデリア・セパシア
- ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア
- アシネトバクター属
- ペプトストレプトコッカス属
- バクテロイデス属
- プレボテラ属
- アクネ菌
- トラコーマクラミジア(クラミジ ア・トラコマティス)
5. 承認はとれていないが、臨床的に有効と思われる菌種
6. 用法・用量
(1)骨髄炎,関節炎
- 1日450 mg,3回に分服(増減),重症又は効果不十分と思われる症例には1日600 mg
(2)腸チフス、パラチフス
- 1日600mg,4回に分服,14日間服用
(3)その他
- 1日300~450 mg,2~3回に分服(増減),重症又は効果不十分と思われる症例には1日600 mg
7. 作用機序
- 細菌のDNAジャイレースの活性を阻害し,DNA複製を阻害する.
8. 血中半減期は長い
経口 | β1/2 | 4.85hr(150mg単回投与時) | |
(t max:投与後2.00hr) |
9. 排泄経路
- 腎………45.8%(尿中・投与後24時間)
- 肝臓………43.0%(糞中・投与後24時間)
10. 臓器移行性
- ◎:≧10μg/ml
- ○:10>~≧1
- △:1>~≧0.5
- x:0.5>
- -:データなし
- 1)房水、涙水
腎・尿路 | ◎ |
---|---|
肝・胆汁 | ◎ |
喀痰・気管支分泌液 | ○ |
骨髄 | ― |
骨盤腔 | ― |
臍帯血 | ― |
骨 | ― |
腹腔 | ― |
母乳 | △ |
扁桃腺 | ○ |
羊水 | ― |
髄液 | × |
腸管 | ― |
副鼻腔 | ― |
筋・皮下組織 | ○ |
胸腔 | ― |
眼 | × 1) |
歯槽 | ○ |
11. 副作用
- ◎:5%以上
- ○:0.1%以上5%未満
- △:0.1%未満
- ×:これまでに報告はない
- ?:頻度不明
- !:同系薬剤で報告がある
- !!:大量投与時に起こる
ショック | ? |
---|---|
過敏症 | ○~△ |
腎障害 | ○~△ |
肝障害 | △ |
消化器障害 | ○~△ |
血液・造血器障害 | ○ |
溶血性貧血 | × |
精神・神経系障害 | ○~△ |
聴覚障害 | × |
Vit.B・K 欠乏症 | × |
偽膜性大腸炎 | △ |
電解質異常 | × |
Antabuse作用 | 無 |
12. 使用上の注意
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]
- 小児[小児等に対する安全性は確立していない]
- ただし、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び小児等に対しては、炭疽、コレラに限り、治療上の有益性を考慮して投与すること
原則禁忌
慎重投与
- 高度の腎障害のある患者〔高い血中濃度が持続することがある〕
- てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者〔痙攣を起こすことがある〕
- 高齢者
相互作用 併用注意
- テオフィリン、アミノフィリン、コリンテオフィリン[テオフィリンの中毒症状(消化器障害、頭痛、不整脈、痙攣等)があらわれるおそれがある。観察を十分に行い、血中濃度モニタリングを行うなど注意すること。]
- フェニル酢酸系(フェンブフェン等),プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤[痙攣があらわれることがある。観察を十分に行い、症状があらわれた場合には両剤の投与を中止し、気道確保と抗痙攣薬の使用など痙攣に対する治療を実施すること。]
- アルミニウム又はマグネシウム含有の制酸剤,鉄剤,カルシウム含有製剤[本剤の効果が減弱されるおそれがある。同時投与を避けるなど注意すること。]
臨床検査値への影響
13. 標準菌に対するMICと臨床分離菌に対するMIC80,MIC60(μg/ml)
備考欄の「※」にマウスポインタを合わせると注釈事項を表示します。
このデータは、主として発売時のデータに、今回の更新にあたり一部改訂・追加したものであり、現時点に適合しないものも含まれています。 最新データについては、各種サーベイランスデータをご参考ください。