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最終データ更新日:2010-07-31
Pazufloxacin [PZFX]
パズフロキサシン, ニューキノロン系
1. 商品名
先発品
- パシル点滴静注液300mg/パシル点滴静注液500mg/パシル点滴静注液1000mg 【富山化学工業, 大正富山医薬品】
- パズクロス注300/パズクロス注500/パズクロス点滴静注液1000mg 【田辺三菱製薬】
2. 日本における発売年
2002(平成14)年
3. 特長
- 注射用に開発されたニューキノロン製剤である。
- 広い抗菌スペクトルを有し、短時間作用時でも強い殺菌効果と優れたPAEを示す(in vitro)。
- 他剤耐性菌(緑膿菌等)にも優れた抗菌活性を示した(in vitro)。
- 高い血中濃度、優れた組織間液移行を示し、また肺組織、喀痰中、胆汁中等への移行に優れていた。
- 各種感染症に対して優れた臨床効果を示し、それらの有効率は84.7%(853/1,007例)であった。
- 副作用は1,264例中43例(3.40%)に認められた。
- 国内で実施された臨床試験(承認時)で報告された副作用は1,264例中43例(3.40%)であり、主な副作用は下痢・軟便0.87%(11件)、発疹0.87%(11件)、 嘔気・嘔吐0.55%(7件)であった。
- また、主な臨床検査値異常としては、ALT(GPT)上昇6.15%(73/1,187)、 好酸球増多4.58%(51/1,114)、AST(GOT)上昇4.04%(48/1,187)、Al-P上昇2.86%(32/1,118)、γ-GTP上昇3.35%(28/835)等が認められた。
- 重大な副作用として急性腎不全、肝機能障害、黄疸、偽膜性大腸炎、無顆粒球症、血小板減少、横紋筋融解症、痙攣、ショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、浮腫、発赤等)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、間質性肺炎、低血糖、アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害があらわれることがある。また、類薬での重大な副作用として、PIE症候群が報告されている。
4. 承認済有効菌種
- パズフロキサシンに感性のブドウ球菌属
- レンサ球菌属
- 肺炎球菌
- 腸球菌属
- モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス
- 大腸菌
- シトロバクター属
- クレブシエラ属
- エンテロバクター属
- セラチア属
- プロテウス属
- モルガネラ・モルガニー
- プロビデンシア属
- インフルエンザ菌
- 緑膿菌
- アシネトバクター属
- レジオネラ属
- バクテロイデス属
- プレボテラ属
5. 承認はとれていないが、臨床的に有効と思われる菌種
6. 用法・用量
- 通常、成人にはパズフロキサシンとして1日1000mgを2回に分けて点滴静注する。なお、年齢、症状に応じ、1日600mgを2回に分けて点滴静注するなど、減量すること。
- 点滴静注に際しては、30分~1時間かけて投与すること。
7. 作用機序
- 黄色ブドウ球菌由来DNAジャイレース、トポイソメレースIVに対して阻害活性を示した。また、ヒト由来トポイソメレースII阻害作用は弱かった。
8. 血中半減期は中程度
30分点滴 | β1/2 | 1.88hr | |
(t max:投与後0.5hr) |
9. 排泄経路
- 腎………約90%
10. 臓器移行性
- ◎:≧25μg/ml
- ○:25>~≧3
- △:3>~≧1
- x:1>
- -:データなし
腎・尿路 | ◎ |
---|---|
肝・胆汁 | ○~◎ |
喀痰・気管支分泌液 | ○ |
骨髄 | - |
骨盤腔 | △~○ |
臍帯血 | - |
骨 | - |
腹腔 | △ |
母乳 | - |
扁桃腺 | - |
羊水 | - |
髄液 | × |
腸管 | - |
副鼻腔 | - |
筋・皮下組織 | △~○ |
胸腔 | △ |
眼 | - |
歯槽 | - |
11. 副作用
- ◎:5%以上
- ○:0.1%以上5%未満
- △:0.1%未満
- ×:これまでに報告はない
- ?:頻度不明
- !:同系薬剤で報告がある
- !!:大量投与時に起こる
ショック | ? |
---|---|
過敏症 | ○~△ |
腎障害 | ○~△ |
肝障害 | ◎~○ |
消化器障害 | ○~△ |
血液・造血器障害 | ○ |
溶血性貧血 | × |
精神・神経系障害 | ○~△ |
聴覚障害 | × |
Vit.B・K 欠乏症 | × |
偽膜性大腸炎 | ? |
電解質異常 | ○ |
Antabuse作用 | × |
12. 使用上の注意
禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
- 小児等
原則禁忌
慎重投与
- キノロン系抗菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者〔アレルギー素因を有する患者は過敏症を起こしやすいので、十分な問診を行うこと〕
- 腎障害のある患者〔高度の腎障害患者では高い血中濃度が持続することがある。また、塩化ナトリウムを含有するため高ナトリウム血症等の電解質異常を起こすおそれがある〕
- 心臓、循環器系機能障害のある患者〔塩化ナトリウムを含有するため水分やナトリウム貯留が生じやすく、浮腫等の症状を悪化させるおそれがある〕
- てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者〔痙攣を起こすことがある〕
- 高齢者
相互作用 併用注意
- テオフィリン、アミノフィリン、コリンテオフィリン[テオフィリンの中毒症状(消化器障害、頭痛、不整脈、痙攣等)があらわれるおそれがある。観察を十分に行い、血中濃度モニタリングを行うなど注意すること。]
- フェニル酢酸系(フェンブフェン等),プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤[痙攣があらわれるおそれがある。観察を十分に行い、症状があらわれた場合には両剤の投与を中止し、気道確保と抗痙攣薬の使用など痙攣に対する治療を実施すること。]
- ワルファリン[ワルファリンの作用を増強し、出血、プロトロンビン時間の延長等があらわれることがある。観察を十分に行い、血液凝固能検査を行うなど注意すること。]
臨床検査値への影響
13. 標準菌に対するMICと臨床分離菌に対するMIC80,MIC60(μg/ml)
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このデータは、主として発売時のデータであり、必ずしも現時点に適合するものではありません。 最新データについては、各種サーベイランスデータをご参考ください。