製剤の調査資料

［出典］
山口恵三、石井良和、岩田守弘、他：Meropenemを含む各種注射用抗菌薬に対する2004年臨床分離株の感受性サーベイランス。

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最終データ更新日：2007-03-31

Cinoxacin [CINX]

シノキサシン, 抗菌剤(旧キノロン系)

1. 商品名

後発品

  • タツレキシンカプセル200mg　【辰巳化学】

2. 日本における発売年

1983（昭和58）年

3. 特長

  • グラム陰性菌に対し殺菌的に作用する．
  • 大部分が未変化のまま腎から排泄されるので高い尿中濃度が長時間持続される．

4. 承認済有効菌種

  • 本剤に感性の大腸菌
  • シトロバクター属
  • クレブシエラ属
  • エンテロバクター属
  • プロテウス・ミラビリス

5. 承認はとれていないが、臨床的に有効と思われる菌種

  • プロテウス属（プロテウス・ミラビリス以外）

6. 用法・用量

  • 1日400～800 mg,2回に分服(増減)

7. 作用機序

  • 細菌のDNAジャイレ-ス(トポイソメラ-ゼ I )の活性を阻害し，DNA合成を阻害する．

8. 血中半減期は中程度

経口 β1/2 60分
（t max：投与後120分）

9. 排泄経路

  • 腎………約90％

10. 臓器移行性

  • ◎：≧10μｇ/ml
  • ○：10＞～≧1
  • △：1＞～≧0.5
  • ｘ：0.5＞
  • -：データなし
  • ＊：実験動物デ-タ
腎・尿路 ◎
肝・胆汁 ○＊
喀痰・気管支分泌液 ―
骨髄 ―
骨盤腔 ―
臍帯血 ―
骨 ―
腹腔 ―
母乳 ―
扁桃腺 ―
羊水 ―
髄液 ―
腸管 ―
副鼻腔 ―
筋・皮下組織 ○＊
胸腔 ―
眼 ―
歯槽 ―

11. 副作用

  • ◎：5％以上
  • ○：0.1%以上5%未満
  • △：0.1%未満
  • ×：これまでに報告はない
  • ？：頻度不明
  • ！：同系薬剤で報告がある
  • !!：大量投与時に起こる
ショック △
過敏症 ○
腎障害 ○
肝障害 ○
消化器障害 ○
血液・造血器障害 ○～△
溶血性貧血 ×
精神・神経系障害 △
聴覚障害 ×
Vit.B・K 欠乏症 ×
偽膜性大腸炎 ×
電解質異常 ×
Antabuse作用 無

12. 使用上の注意

禁忌

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人
  • 小児

原則禁忌

慎重投与

  • 高度の腎障害のある患者［本剤は腎排泄のため血中濃度が高くなるおそれがある］
  • 高齢者［高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある］

相互作用　原則禁忌

臨床検査値への影響

13. 標準菌に対するMICと臨床分離菌に対するMIC80,MIC60(μg/ml)

備考欄の「※」にマウスポインタを合わせると注釈事項を表示します。

このデータは、主として発売時のデータであり、必ずしも現時点に適合するものではありません。 最新データについては、各種サーベイランスデータをご参考ください。

菌名 感受性 標準菌株 標準菌のMIC 臨床分離菌 備考
MIC80
*MIC90		 MIC60
**MIC50
Clostridium perfringens ○ 0.39
Clostridium tetani ○ 0.19
Haemophilus influenzae ○ 3.13 3.13
Bacillus anthracis △ 6.25
Enterobacter cloacae △ 6.25 12.5 6.25
Escherichia coli △ 0.78 6.25 1.56
Morganella morganii △ 6.25 6.25 1.56
Proteus mirabilis △ 6.25 12.5 6.25
Proteus vulgaris △ 6.25 12.5 12.5
Salmonella paratyphi A △ 3.13
Salmonella typhi △ 3.13
Acinetobacter spp. × 100 100
Bacteroides fragilis × ＞500
Bacteroides vulgatus × ＞500
Corynebacterium diphtheriae × ＞100
Enterobacter aerogenes × 12.5 25 12.5
Fusobacterium varium × ＞500
Klebsiella pneumoniae × 3.13 25 12.5
Micrococcus luteus × ＞100
Peptococcus spp. × ＞500
Peptostreptococcus spp. × ＞500
Providencia rettgeri × 6.25 50 25
Pseudomonas aeruginosa × ＞100 ≧200 ≧200
Serratia marcescens × 12.5 ≧200 ≧50
Staphylococcus aureus × ＞100 ≧200 ≧200
Staphylococcus epidermidis × 100
Streptococcus pneumoniae × ＞100
Streptococcus pyogenes × ＞100